2019年8月11日(日)放送
日曜劇場≪ノーサイド・ゲーム≫第五話 のあらすじです。
ネタばれありなのでご注意ください。
Contents
リーグ戦の経過
万年最下位争いだったアストロズは、プラチナリーグ開幕戦を見事に勝利。その後も、16チーム総当たり戦となる過酷なリーグ戦をチームの組織力で乗り越えていく。
気が付けば、開幕から負けなしの10連勝と快進撃を続けたまま、リーグ戦はいよいよ終盤戦を迎えた。
11試合目
プラチナリーグ 第十一節
アストロズVSブルズ
昨年40点差をつけられて大敗したブルズに勝ったアストロズ。
このままいくぞ優勝だ。
TOKIWA新聞の一面に
「え。リーグ戦ってまだやってたの」と妻は言った。
新聞にだって一文だけだけど載っているのに…。
それよりもTOKIWAは一面に載っていることが話題になっていた。
”買収成立を見越して早くも株価上昇”と。
「これ滝川でしょ。絶好調ね」という妻に対して君嶋は「アストロズだって絶好調だ。絶対に負けない。」と宣言するのであった。
七尾の内定
七尾にTOKIWAの内定が出た。
しかしこの内定は七尾の実力でとったものではない。ラグビー枠で誘われたのだ。
君嶋に「仮入部でどうだ?TOKIWAには一般社員として入ればいい。またラグビーがやりたいと思ったときに、アストロズに来たらいい。」と言われたのだ。
七尾がもうラグビーは辞めたと言っても君嶋は「俺は諦めが悪いんだ」と言って引き下がらなかった。
入ってからきめたらいいんじゃないか?と勧められ、七尾はTOKIWAへの入社を決めるのであった。
しかし、その実力未知数の新人を仮入部させたところでアストロズは来年にはなくなるかもしれない。滝川は経済誌に紹介されて、TOKIWAのコスト削減を堂々とうたっている。次期社長を気取っている滝川。滝川の力がここまで大きくなったらどうすることもできないのだ。
14試合目
12節、13節と30点以上の差をつけて勝利を重ねていったアストロズ。
そしてついに第14節。
日本ラグビーの聖地【秩父宮ラグビー場】で行われる。
第一試合
サイクロンズVSファイターズ
第二試合
アストロズVSブラックシャークス
サイクロンズ戦が第一試合目にあることから、観客は多かった。
津田と出くわした柴門。
「活躍は目にしているよ。相変わらず小手先で相手惑わす逃げのラグビーだな。君にはお似合いかもしれない。ただ本当に強い相手には通用しない。ここが君の限界だろ。」と津田は柴門に言った。
第一試合は、サイクロンズの強さが全面に出て、ファイターズがまるで子ども扱いだった。前半だけで35対0。
アストロズはファイターズと前半0体対0だったのに…。圧倒的な強さをサイクロンズは見せてきた。
サイクロンズに勝てるのか…と不安になる君嶋。
サイクロンズとアストロズでは圧倒的に選手の厚みが違った。サイクロンズには日本代表が9人もいるが、アストロズは里村一人。
「選手層か…間に合えばいいんだが…」と君嶋はつぶやいていた。
その頃TOKIWAには七尾が入社していた。
なぜ買収をリークしたのか
工場に滝川が視察に来ていた。
熟練工の社員たちが一つ一つ正確な取り付けをしている工場。
滝川は人件費を機にした。分あたり15000円。これはもっと削減できる。人工知能ロボットを導入すれば効率は大幅にあがる。と言う滝川に君嶋が怪訝な表情をみせた。
確かにAIロボットを導入し工場の人員削減することに役員たちも同意しているようだ。新聞記事がでたおかげで滝川の発言力が社長より大きくなっているという。
しかし君嶋は気になった。
普通なら企業間の買収はトップシークレットのはずだ。買収が成功するかどうかの瀬戸際にこんな記事が出ても、なくなることだってある。なのになんで滝川は今リークしたのか?カザマがこの買収を取りやめることはないという確信があるってことなのか?
と疑問に思った。
佐々のパス
夜、グラウンドには佐々たちが居残り練習をしている姿があった。
そこには本波もいた。
岸和田は本波がいたことに驚いた。
「僕らの練習手伝ってくれて」という佐々たちの言葉に本波は「違う。自分のためだ。俺はこの工場で16年好きなラグビーをやらせてもらってきた。他の社員にはどこかで申し訳なく思っていた。だから試合で怪我をしても仕事だけは絶対に休まなかった。そうやってでも続けてきたラグビー部が今は崖っぷち。今年こそ死んでも結果を出したいんだ。」と言った。
俺も練習に付き合いますよと岸和田。
「それはちょうどよかった。俺は佐々のパスが里村より上だって言ってるのにこいつは信じようとしないんだよ。お前はどう思う?」と本波は岸和田に聞いた。
岸和田は「俺もそう思います。」と答えた。
「スクラムハーフにとって、もっとも大切なパスのスピードと飛距離。それは確実にあいつより上だ。だが試合には出られない。お前に足りないものは何かもう一度考えろ。お前はスピードボールしか投げない。剛速球ピッチャーのようなものだ。いつも右に左に同じテンポで投げている。もっとリズムかえて視野広くしてみろ。」と岸和田は佐々に言った。
その様子を上から柴門は見ていた。
同期
残業中の君嶋に佐倉が話しかけた。
柴門は毎日毎日サイクロンズ戦の録画をみているが、なかなか攻撃の手立てがみつからないようだった。
「柴門は学生時代から常に結果を出してきた。いろいろ苦労もあっただろうが、それを全部乗り越えて勝ってきたんだ。今回だってきっとやってくれるさ。」と君嶋。
「その柴門さんに君嶋さんは大好きなしおりちゃんをとられて、ラグビーを嫌いになったんですもんね。同期の二人が一緒のチームで戦うなんておもしろいですね。」と佐倉は言った。
「同期?」その言葉で君嶋はひらめいた。
風間商事のHPをみると
- 風間有也
- 1963年生まれ
- 出身校 明成学園大学
- 職業 経営者
と書かれていた。
そして滝川の経歴は…
【1986年 明成学園大学卒】
風間も滝川も同じであったのだ。
二人は大学時代の同期だったんだ。滝川がリークできたのは、風間社長との間に強い信頼関係があったからと考えるとつじつまが合う。それに滝川は当初1000億円で強引に買収しようとしていた。これは、大学の同期二人が計画した買収案件だ。
ビジネスに私情をはさんでいると思われたくなかったか、あるいは私情をはさんでいるからこそ言えなかったか。誰も二人が知り合いだとは知らなかった。
「なにかにおうな。これは本当にただの買収なのか。それとも他に何か企みがあるのだとしたら、見過ごすわけにはいかない。」と君嶋は言った。
風間と滝川の密会
料亭に風間は遅れてきた。
「16分20秒も遅刻だ。ビジネスはスピードが命だ。一分一秒も無駄にして欲しくない。」と滝川が言うと
「全くお前は変わらないね。もっと余裕をもちなさいよ。社長になるんだろ。貧乏暇なしは過去の話だ。」と風間は言った。
買収の話はおおむね順調に進んでいると報告した滝川。
「もつべきものは優秀な同期だ。これからもどうぞよろしく滝川社長。」といい微笑む風間であった。
ちびっこアストロズ
「博人くんナイスパス」と言う佐々の掛け声に反応して、手を振る博人。そこに前からボールがきて、博人はボールを落としてしまった。
ノックオン。
練習後、明日の試合のメンバーが発表された。
「バックス スクラムハーフ9番 りゅういちくん」
落ち込む博人。
やったー里村と同じ番号だ。と喜ぶりゅういち。
博人は21番で呼ばれた。
「博人君、僕と同じ背番号だ。お互い頑張ろうな。」と佐々は言った。
博人は無言だった。
家に帰り「この数字って意味あるの?」と妻は聞いた。
君嶋が「ポジションごとに番号が決まっているんだ。この21番はレギュラーにはなれなかったんな。」と博人に聞くと
「うん。りゅういちくんのほうが上手だったたから。」と博人は言った。
「どうせならあなたがレギュラーになれるように、ちょっとは手助けしてあげたら?GMなんでしょ?」という妻の言葉に
「GMの力をつかって博人をレギュラーにねじこむってこと?」と君嶋に言った。
「博人にアストロズの練習を見学させたり、他の選手からアドバイスもらったり、上手になるための手助けをできないかって言ってるの。そんな努力もしないでレギュラーにねじこむって根性腐ってるんじゃないの。」と怒られる君嶋であった。
サイクロンズに勝るものは…
サイクロンズの分析チームが、アストロズの分析をしていた。その結果からするとうちが負けることはありえない。と鍵原は言ったが、津田は
「ありえないと簡単に言うな。勝負に絶対はない。不安要素は万に1つでも潰す。アストロズに脅威があるとすれば…」と里村の写真を見る津田がいた。
その頃アストロズでは柴門が「今年のプラチナリーグは1強15弱だ。サイクロンズだけがとびぬけている。うちはどうにか弱い15チームの中で無敗でここまで来ただけだ。勝てる確率は数パーセント…。今年のサイクロンズは化け物だ。去年のアストロズが戦っていたら100点ゲームになっていたかもな。」と言った。
「でも今年のアストロズだって違うだろ。何度もみてきた。ギリギリの試合で、皆がここぞというときにボールを奪って勝ってきた。ボロボロに疲れているはずなのに、なんでここまで早く動けるんだっていつも驚いていた。あのスピードはお前が鍛えた成果だ。」と言う君嶋の言葉で柴門はひらめいた。
試合の録画をみて、なにかのタイムを計る柴門。
アストロズのメンバーを集めて「うちの攻撃がサイクロンズに通用することはまずない。どう攻めても潰される。だから潰されても当然と思ってプレイしろ。チャンスは、その後にある。リロードだ。」と柴門は言った。
ラグビーは、タックルやスクラムが潰れたりしてひと試合で何十回も地面に倒れる。この倒れて休んでいる時間を、いかに短くして次のプレイの体制に戻れるか。というのがリロードだ。
サイクロンズはこのリロードに時間がかかる。強さゆえの余裕だ。ここに隙がある。
これをみてくれ。と柴門は録画をメンバーに見せた。
互いのファイターズ戦で比較。
うちは15人全員が次のプレイに戻るが、サイクロンズはまだここに倒れている人がいる。つまりこの瞬間は、10人対15人。数的優位になっているという事。向こうがパワーなら、こっちはスピードで勝負ということだと。
現代ラグビーは、コンマ数秒の戦い。伝統を重んずるばかりの津田との勝負ができるところだ。
うちはリロードの速さに磨きをかけ、この数的優位な時間を延ばせていけば、サイクロンズの壁は壊せる。と柴門は言った。
しかし口でいうほど簡単じゃない。特訓が必要だ…
レスリング
倒れてもすぐに起き上がる術を身につけるためには、レスリングが最適だ。とレスリングの練習となったアストロズ。
サイクロンズのパワーに対抗して、より低く足元に入り込むレスリング式のタックルが覚えられるとのことだ。
そしてまた君嶋も練習に参加することになっていた。君嶋だけレスリングのユニフォーム着用で。
吉田沙保里にタックルをした君嶋は、タックルをかわされ負傷した。
翌日
「選手たちはすごいよな。よくあんなことができるよ。」と昨日の練習で痛めた体をさすりながら君嶋は言った。
柴門は「俺は根性論は苦手なんだ。でも長年ラグビーに携わってきてわかった。最後は気持ちが勝敗を分ける。どれだけ最先端の練習をしようが、勝ちたいという思いをどれだけもてるか。それは時にデータを超える。」と言った。
勝つためにはもうひとつ飛び道具が欲しいなと君嶋。
七尾と柴門
居酒屋で会う柴門と七尾。
「うちの期待の新人なんです」と七尾を店の女将に紹介すると「爽やかでいいわね。多少下手っぴでも試合にどんどん出しちゃいなさい。女性ファンが増えるわ。」と女将は言った。
「アストロズに入ることを、もう一度考えてくれないか。」と七尾に言う柴門。
「でも廃部になるかもしれないんですよね。(優勝といっても)サイクロンズがいる。あのチームはニュージーランドのそこそこのチーム並みの力をもっている。どうなるかわからない部に入るなんて…。柴門さんも君嶋さんも何を考えているのか。」と七尾。
「ラグビー好きなんだろ。うちやサイクロンズのことをやけに詳しく知っているじゃないか。君嶋が君を誘うのはチームの強固のためだけじゃない。せっかくのお前の才能を捨てて欲しくないと思っているからだ。どうするかはお前が決めろ。でも一度アストロズをみてほしい。」と七尾に告げた柴門だった。
合同記者会見
ミスの多いアストロズ。次負けたら部がどうなるのかが皆不安のようだ。
何社かのマスコミから柴門に取材がしたいという話がきていた。しかし内容は津田監督とのことだという。二人のことをマスコミが面白おかしくしようとしているようであった。
それならば”合同記者会見にしたい”と思いサイクロンズのGM鍵原にそのことを伝えた。
合同記者会見にはマスコミが50社以上も集まる。そして経費も全てアストロズもち。これを機に格の違いを見せつけておくべきだ。試合前に柴門に恥をかかせてやろうとサイクロンズも合同記者会見を了承した。
柴門と津田の合同記者会見が始まった。
鍵原は君嶋に「せいぜい利用させてもらうよ。優勝宣言のいい会見になるな。」と言った。
記者 ”柴門監督の目覚ましい活躍をどう思いますか?”
津田 ”柴門監督にも伝統のラグビーが芽生えてきたようだ。常に謙虚な気持ちでラグビーに向かい合う。それを試合で教えてあげたい。”
記者 ”津田監督に更迭されたのは、津田監督に背き、新しい方針を取り入れたからだと聞いています。そんな津田監督が優勝決定の対戦相手になった心境は?”
柴門 ”大先輩でもある津田さんに失礼のないように全力でてってき的に叩き潰します。最下位だったアストロズがここまでこれたのは私一人の力ではない。強引にひっぱったGMの存在、磨けば光る素晴らしい選手たちがいたからだ。ラグビーは常に進化している。伝統にとらわれていては強くはならない。理論に基づいた攻撃的なラグビーで叩き潰します。”
この言葉に会場はどよめいた。
津田は「柴門、礼儀を知らないな。」と思わず言うと「勝つことが最上の礼儀だと思っている。答えは全てグラウンドで見せます。」と言ったのである。
2人に握手を求めた記者たちであったが、試合前に握手なんかできるかと津田は握手を拒否した。
そして「おかげでいい会見になりました。」と言った君嶋に対して、鍵原はむっとした表情をしていた。
会見を見ていたアストロズのメンバーたち。
「勝ちたいを通り越したこの感じ。久しぶりだなぁ。監督のため、チームを守ってくれたGMのためにやるわ。」と漏らす浜畑。
柴門は選手たちの気持ちを高めるためにこの会見を行ったのであった。
サイクロンズ戦
「ユニフォーム着て、試合観に行くからね。」と言う博人。
君嶋にとってのユニフォームは雨と泥がたっぷりしみ込んだスーツだった。
プラチナリーグ優勝決定戦
アストロズVSサイクロンズ
秩父宮ラグビー場
試合前に円陣を組むアストロズ。
「GMも入ってください」と円陣に入る君嶋。
柴門が「城南大を追い出されてここに来た。でもそれだけではない。このチームは俺の理想のラグビーを実現できると思ったから。俺の命をかけられると思ったからアストロズに来たんだ。お前たちは俺のラグビーの全てだ。今度はお前たちが全てをぶつけてこい。ラグビーに生きたお前たちの力を見せつけろ。」と鼓舞した。
観客席には社長の姿もあった。
「社をあげて応援といきたかったが、ついてきてくれる役員も今やこれだけだ。あの会見がきいたかな。このお客さんたちに目いっぱいラグビーを楽しんでもらえるといいな。」と社長は数人の役員を連れて観戦するようであった。
試合開始。
サイクロンズのリロードは早かった。
柴門は「勝負は後半だ。」と言った。
アストロズの攻撃は、里村・浜畑を中心に始まる。その里村にディフェンスが3人もついていた。全て読まれていてパスが通らない。
観に来ていた七尾は「フォワードは負けてないのに…」とつぶやいていた。
アストロズも得点を重ね、5対7となる。
しかし里村が徹底的に抑えられあっという間に5対21と点差を広げられた。
前半は残りワンプレーとなった。
本波のタックルで相手を抑えられたが、本波は負傷し、脱臼。
後半はスピードで勝負だ。
後半戦。
里村に代わって佐々が入った。
「剛速球ピッチャーにはなるなよ。」と念を押される佐々。
博人も佐々の出場を喜んでいた。
サイクロンズは佐々の情報を事前に取得しておらずあたふたしていた。
勝負の後半は、スクラムハーフが入って変わった。スピード勝負に出たのだ。サイクロンズは予想通りリロードが遅くなっている。
君嶋の言っていた”飛び道具”とは【佐々のパス】のことであったのだ。
スピード勝負にでるなら佐々のパスは絶対であった。
佐々が得点をとり、12対21。
スピードで振り回せば隙が出来る。テレパシーのような意思の疎通が大事。そしてリロードで数的優位にたったときがねらい目。
あと4点まで迫った。
両者壮絶の戦い。満員の観客を魅了していた。
両者得点をとれずにラストワンプレーとなった。
観客は一体となってアストロズの応援をしていた。
「どうして応援するか。諦めずに戦う彼らをみていると私も勇気が湧いて来る。叫ばずにはいられない。」と社長言った。
岬が最後の最後に得点をした…と思われたが。
ビデオ判定となった。
結果は、インゴールにボールがつく前に岬の足が外に出ていたためノートライ。
アストロズは負けたのであった。
さいごに
最後まであきらめずに戦ったアストロズ。
あと一歩及ばなかったが、昨年最下位だったチームとは思えない試合の展開だった。
しかし結果は負け。
今後、滝川はアストロズをどう判断するのか。アストロズは存続できるのか。
今後が気になります。
感動の試合でしたね。
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