TBSの日曜劇場で始まった池井戸潤作品【ノーサイド・ゲーム】
2019年の今年、ラグビーワールドカップがここ日本で開催されるためか、ホットワードなテーマのドラマである。
ドラマ内でも言われていたが、日本でのメジャーなスポーツのひとつに【ラグビー】というスポーツは出てこないのである。
野球やサッカーのように頻繁にテレビで放映されることもなく、学校でみんなが習うわけでもないため、ルールすら知らない人が多いスポーツなのではないか。
そんな初心者の人たちも、このドラマを観たらきっとラグビーに興味がでてくるのではないか…と思えるような第一話であった。
登場人物の大泉洋演じる君嶋隼人も、ラグビーのことをほとんど知らないラグビー素人である。そんな君嶋がラグビーと関わりを深めながら会社と奮闘していくドラマのようだ。
『左遷された男は低迷するラグビー部とともに再起することができるのか!?』
大泉が演じるのは、大手自動車メーカー「トキワ自動車」の中堅サラリーマン・君嶋隼人。君嶋は出世レースの先頭に立ち幹部候補とまで言われていたが、上司が主導する企業買収に異を唱えた結果、左遷人事で府中工場に総務部長として赴任することに。意に染まない異動だが、これもサラリーマンの宿命。やるせない思いで赴任先の工場に赴いたところ、トキワ自動車ラグビーチーム「アストロズ」のゼネラルマネージャーを兼務するよう命じられる。かつては強豪チームだったアストロズだが、いまは成績不振にあえいでいた。こうして知識も経験もない君嶋にチーム再建という重荷が課せられた。低迷するラグビー部と出世の道を絶たれた君嶋の、再起をかけた戦いが始まる。
TBS ノーサイド・ゲーム 公式HPより
ここからは第一話のネタばれありです。ご注意ください。
Contents
2017年 東京・丸の内
経営戦略室にいた君嶋(大泉洋)に「来月から府中工場に総務部長として行ってくれ」と告げられるところから話は始まった。
君嶋の左遷である。
ラグビー 2017年 プラチナリーグ
TOKIWA自動車【アストロズ】 VS 日本モーターズ【サイクロンズ】の試合の様子が流れる。
『見ているだけで痛い。ルールがよくわからない。野蛮。』ラグビーはこんなイメージだ。
ラグビーには≪ノーサイド≫という笛の合図がある。これは試合が終わった瞬間に敵・味方の区別がなくなり、互いをたたえあうことを意味している。
府中工場 初日
府中工場に出社すると、社員一同がそろって君嶋をお出迎えをしてくれた。それだけでなく、TOKIWA自動車のラグビー部の歓迎もあった。君嶋は大変気分がよかった。
総務部長は、ラグビー部のGM(ゼネラルマネージャー)を兼務することになっているとのこと。そのため、君嶋はラグビー部のGMとなった。
しかし、ド素人をGMにされたことでアストロズ(ラグビー部のチーム名)のメンバーはいらだっていた。
アストロズは、14億の負債があること・新監督が決まっていないことなどの問題点があった。
ラグビーにはお金がかかるため、14億の予算でギリギリ。しかし収益はゼロに近い。日本人の大半はラグビーになんて興味がない。アストロズは社会貢献できているのか。同じ地域にあるFC東京の試合にはみんな積極的に行くのに、アストロズの試合には来ない。試合には勝てないし、部員には仕事のできない人もいる。
そんな現状から君嶋は『ラグビーなんて嫌いだ』と言ってしまう。
本社の常務の滝川(上川隆也)からは、TOKIWA自動車にとってアストロズをどうすべきかを考え、予算案・意見書をつくるように言われた。
まさか自分はアストロズを廃部にするために府中工場におくられたのか?と君嶋は思いながらも、結果をだして本社に戻ることを期待して「最良の選択で意見書を書きます」とこたえた。
アストロズの練習の様子
17時から開始のアストロズの練習。2分遅れで練習は始まり、佐々(林家たま平)は遅刻の上、仕事着のままコートに現れた。
そんな現状を見ながらノートに書き留めてく君嶋。そんな君嶋を見て「アストロズを支えるところが潰そうとしている」とメンバーは感じていた。
調査をしていく中で、君嶋はラグビー部の部員が残業を申告せずに、自主練習をしていると嘘の申告をして、サービス残業を行っていることに気が付いた。
どうやらラグビー部は『会社のお荷物』『会社に迷惑をかけているんだから』と同僚からサービス残業を押し付けられているようだった。
吉原さん(村田雄浩)と話す中で、14億はギリギリまでつめられた額だということを知った。これ以上予算が削られると廃部しかない…
「君嶋さんはなんでラグビーが嫌いなんですか?」と吉原が聞く。
君嶋はラグビーの名門校出身であったからだ。それなのになぜ嫌いなのか?
大学時代、同じクラスにラグビーの代表選手にも選ばれたスーパースターがいたとのこと。このスターは、まるで王様のようでなにをやっても許される。ラグビーだけはできるからなにをやっても許される。おそらく好きだった女の子もとられていたよう。だからラグビーが嫌いになったようだ。
その話を聞き、吉原は「負けず嫌いの性格はラグビーに向いている」と言った。吉原は物流に移動になったため、これからのことをよろしくと君嶋に言った。
君嶋の作った予算案には【廃部が妥当】と記載された。
君嶋の息子がいじめにあう
君嶋がラグビーのGMになったことを周りが知ったようで、君嶋の息子 博人(市川右近)は、「ラグビーだせぇ」と友達たちからいじめを受ける。
メジャーなサッカーじゃなくてラグビーなのが物珍しく、小学生にとってはいじめの標的うってつけであったようだ。
博人はラグビーを教えてほしいと君嶋に言った。ラグビーボールが欲しいと言った。しかし母(松たか子)に「ダメ」と却下されてしまう。
土曜日
博人にラグビーを教えてほしいと言われたため、コートに行った君嶋は「ラグビー初心者はなにからはじめたらよいのか」とメンバーに聞いた。
なんでも博人が自分からなにかをやりたいといったのが初めてとのことで、教えてあげたいと思ったという。
ジャージに着替えてコートへ迎えられた君嶋。
浜畑(廣瀬俊朗)からの鋭いパスをよけてしまう。
ルールはわかっているから実践を教えてほしいという君嶋に【タックル】を教えたキャプテン岸和田(高橋光臣)。
しかしまともにタックルをすることもできなかった君嶋。
体を負傷し倒れこむ。
ラグビーは「けがをするスポーツだ」と君嶋は言った。
そんな君嶋に佐倉多英(笹本玲奈)は、「ラグビーはけがをしないための体をつくるスポーツ」だと言った。
ラグビーボールなんて、いびつな形をしていてどこへとぶかもわからないし危険だ…
社長とコートで会う
社長がコートに来て、アストロズはどうだ。と君嶋に聞いた。事実をのべてくれと言われ、君嶋は
アストロズのメンバーは現在高齢化していて、新戦力の加入もない。今期は先年度以下の成績になりそう。客も集まらないし、収益もない。予算はどぶにすてるようなものだ。
と言った。
社長は言う。
それをどうにかするのがGMだ。普段の生活で思い切りぶつかることはないだろう。と。
ニュージーランドのチームの試合前の儀式に【ハカ】というものがあるそうだ。
その歌の意味は
私はしぬ 私は生きる 見よ!この勇気ある者を ここにいる男たちが再び太陽を輝かせる 一歩上へ さらに一歩上へ そして外へ一歩 輝く太陽の光の中へ
だそうだ。
もしかした死ぬかもしれない、それでも自分たちを応援してくれる人がいるから今闘わなければならない、どんな状況でも諦めることなく、チームのために命懸けで闘う。という強い意志があるとのこと。その姿に無性にひかれる。だからこそ応援せずにはいられない。
と社長は言った。
しかし君嶋の共感は得られなかった。アストロズに未来はない、それが君嶋の答えだった。
しかし考えは変わる
君嶋は14億のお荷物のアストロズの廃部をすすめたら本社に戻れるものだと期待していた。しかしアストロズが廃部になったら滝川が社長になる可能性もあるという噂を耳にした。
滝川に予算案を報告した君嶋は、「本社に戻すつもりはない」と滝川にはっきり言われてしまった。
途方に暮れた君嶋は、雨の中の練習を見にぼーっとしながらコート脇を歩いていた。そこで練習中のタックルの巻き沿いになった。
浜畑から「邪魔だ。迷惑だ。タックルもまともにできないGMさん」と言われ自分の居場所がわからなくなった君嶋。
やけになりながら雨の中何度もタックルの練習をする。そんな君嶋に「死ぬ気でいけ」と浜畑は言った。
ラグビーはチームのため、仲間のためにぶつかるもの
ということを実感した君嶋だった。
博人の思い
両親によって、博人のボロボロになったぺちゃんこのサッカーボールが発見された。母は、こんなことしたやつらをこらしめるつもりでいた。
しかし君嶋は少し違った。ものすごく腹は立っていたものの、博人の気持ちを汲み取ったのだ。
博人は強くなりたかった。自分の力でいじめてくるやつらと戦いたい思って、君嶋にラグビーを教えて欲しいと言った。
君嶋は博人に言う。
ラグビーは喧嘩じゃない。相手が憎くててぶつかるんじゃない。仲間のためにぶつかるものだ。ラグビーはそういうスポーツだ。
ラグビーにはノーサイドの笛がある。これはラグビーのスポーツマンシップ。
ひどいことをしたやつを最後は許せるのか?正々堂々戦ったあと許せるか?タオルをかけてあげることができるか?
と博人に問う。
博人は「うん。ラグビーやりたい」と答えた。
自分の力でけりをつけようとしている。自分で戦おうとしている博人を応援することとした。
予算案提出
予算案提出の日となった。
アストロズのメンバーはそのことを知り、君嶋に説明を求めた。
アストロズのメンバーへの説明で、君嶋が配った予算案には【今年度のチーム予算0】との記載があった。
これが今のアストロズの価値だと言った。昨年度の試合結果からしたら今年度の試合を誰も見たいと思わない。
サラリーマンに努力賞なんてない。
リーグ戦残留なんてのが目標な時点ですることとしたでに負け犬。
プラチナリーグ優勝したいとそれを目標にしないと。
だからミスやサービス残業をおしつけられる。
ラグビーを誇りに思え。自覚がない。上だけをみろ。
プラチナリーグ優勝したら誰も文句をいわない。客もどんどん増えて、輪は広がる。それがラグビー部の社会貢献だ。
本当は廃部にするつもりだった。
本社からおいだされてサラリーマンの私は死んだ。何度も地面にたたきつけられて。でもこのまま終わるのは嫌だと何度も思った。
このままなんの役にも立たずお荷物で終わるのは嫌だ!
タックルもできない私と本気でぶつかりあってくれる君たちと一緒に闘いたいと思った。ラグビーボールはどこに転がるかわからない。どのこ転がるかわからないからチャンスがある。
結果を出すんだ。
14億を堂々と請求できるように、勝ちをみせつけるんだ。
と熱い想いを伝えた。
しかしキャプテンは無言だった。
そのまま君嶋はその場を去っていった。
君嶋が去った後残されたメンバー。
口を開いたのは浜畑。
リーグ残留なんかじゃ嫌だ。負けるのは嫌だ。このチームで優勝したい。
と言った。
この思いに皆も賛同し、優勝のための練習がはじまるのであった。
結局予算案は【もう一年様子をみよう】と同じ額で請求がだされたようであった。
新監督はまだ決まっていない。
次回は…
ニュージーランドから日本へ帰国してくる人がキーになりそうな予感。
そして城南大学は連覇しているのに監督交代となったよう。
新監督は、君嶋がラグビーを嫌いになったきっかけのあのスターになるのか?
次回も楽しみですね。
まとめ
日曜劇場らしい展開でしたね。
会社のこととラグビーのこと、2つの再起に励む君嶋。今後の展開が楽しみです。
なによりもこれで多くの日本人がラグビーのことを知るきっかけになりそうです。素人の君嶋と一緒にラグビーについてもこのドラマを通して学んでいけたらいいですよね。
ラグビーワールドカップに向けてのいい宣伝にもなりますね♪
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